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水銀燈「あらぁ?お馬鹿さんの真紅じゃない?大学を留年しすぎて、高校からやり直すことにしたのぉ?」 真紅「…誰がお馬鹿よ!?私は、今日からここで教師として働くことになったの。…まさかあなたも…?」 高校を卒業してから4年…。同窓会でもないのに、水銀燈と真紅は意外な場所で出会った。 場所は、『私立有栖学園』の校門前…。そう、2人は教師としてこの場所を訪れたのだ。 それを確認するやいなや、水銀燈は真紅にこう言った。 水銀燈「…ねえ、これから毎日あなたの顔見るの嫌だから、今から他のところに就職してくれなぁい?じゃないと、また昔みたいに腕へし折っちゃうわよぉ?」 その言葉を聞きつけ、どこからともなくあるものが現れ仲裁に入る。 翠星石「2人とも、せっかく4年ぶりに会ったんだから、ケンカはやめやがれですぅ!!」 雛苺「そうそう、ケンカはめっめーなのよ?」 まさかと思い、水銀燈が辺りを見回すと、そこにはよく知った顔がぞろぞろと現れた。 ローゼン「…どうせ教師を選ぶなら、高校時代に僕の母校に通ってた人をと思ったんだけど…ずいぶん集まっちゃったね…♪」 悪びれる様子もなく、校長であるローゼンは新任の教師たちを前に朝礼を行った。 そしてその後、各人のクラスと担当教科が発表され、それぞれはその準備をしだした。 中でも、国立の名門出の水銀燈には、社会系全てと保健体育の授業…そしてクラスの受け持ちと多大な期待が寄せられていた。 水銀燈本人もこれに満足したのか、生徒に対し熱心に指導した。 そう…それは、熱心すぎるほどに… 水銀燈「…あらぁ?今日もやけに人数が少ないわねぇ…」 その美貌と若さゆえ、始めは絶大な人気があった水銀燈。しかし、それから1ヶ月、2ヶ月と過ぎる頃、その人気はどんどん下火になっていった。 それは、彼女の授業についていけない者が急増したことが原因であった。 元々、『完璧』を強く求める彼女は、少しでも生徒がミスを犯すと、それを激しく叱咤した。それが生徒たちの間でだんだんと重荷になり、やがて彼女の授業に出席する生徒もごく限られた人しか出ないようになってしまった。 水銀燈自身も、出席率の低下についてはどうにかしようと考えたが、結局明確な答えを導き出すことは出来なかった。 彼女が天才であるが故の悩み…それは、『勉強ができない人の気持ち』が分からない事だった。 そして、それから数日後…ついに水銀燈は受験に関係がなく、元々本人もやる気のなかった保健体育だけを専門に教えることになった。 それは同時に、彼女が初めて挫折を味わった瞬間でもあった。 それからというもの、水銀燈の生活は一気に荒んだものになってしまった。 人に相談する事、そして同情される事をなにより嫌う彼女に、寄り付くものは徐々に減り、気がつけば彼女に話し掛ける人物は、ごく限られた人物だけになってしまった。 しかし、そんな状況でも水銀燈は決して他人に頼ろうとしなかった。 水銀燈「大丈夫よ、メイメイ…。周りの環境が、高校時代に戻っただけ…ただそれだけの事だから…」 憔悴しきった顔で、水銀燈はただ一人の友人に対してそう言った。 高校時代、寂しさを紛らわせるために始めた夜遊びや悪さも、今では麻薬のように自身の生活を蝕んでいた。 そしてその後の、学校を休んだ次の日に感じる疎外感…それから逃げるように、彼女はだんだんと学校へ来なくなった。 そして、ある冬の日…水銀燈は校長室へと呼び出された。 ローゼン「…今年度は、本当にお疲れ様。まあ、どんな人でも最初は上手くいかないものだから、気にしないほうがいいよ。」 水銀燈「…そんな、美辞麗句を伝えるために、私をここに呼んだ訳?」 もう、仕事なんてどうでもいい…。そんな気持ちからか、水銀燈の口調はついつい横柄になる。 しかしそれにもめげず、校長であるローゼンは『ある決定事項』を水銀燈に伝えた。 ローゼン「いや…実はね、もうそろそろ君にもちゃんと学校へ復帰してもらいたいと思ってるんだ。そういうわけで、もう1度クラスの担任を受け持ってもらえないかい?」 水銀燈「…一体、どういう風の吹き回し?今更、私に出来ることなんて、何も無いわ…」 ローゼン「いいや、出来るさ!水銀燈君は問題を1人で抱えてしまう傾向があるから、今回は特別に副担任を付けようと思うんだ。で、4月から『薔薇水晶』っていう新任の教師が…」 水銀燈「…で、いずれはその薔薇水晶って子にクラスを任せて、私は用済みってわけね?」 ローゼン「…!?ち、違う!君は何か誤解を…!!」 水銀燈「いいのよ…人に捨てられるのは慣れてるから…。お父様にも捨てられたし、高校時代だって、友達だと思ってた子にも…」 そう言うと、彼女は小走りに自身の車へと向かい、オーディオのボリュームを全開にして、車を発進させた。 やがて、人気の無い森へとたどり着くと、彼女は1人声を押し殺し、泣きじゃくった。 本当は、自分だって生徒達に慕われる存在になりたかった…。 『夏休みが多そうだから』という短絡的な理由…それ以上に、色んな意味で自分の高校生活を取り戻したかった…。それが、彼女を教師の道へと進ませた本当の理由だった。 なのに…。 水銀燈「…薔薇水晶…か。…最後ぐらいは、ちゃんと引き継がせてあげないとねぇ…。」 そう言うと、彼女は涙をふき取り、車を走らせた。 そう…今の自分に出来ること…。それは、その新任の薔薇水晶という『生徒』に最後の授業をしてやること…。そして、自分と同じ道を歩ませないこと…。 こうして、彼女自身の運命の歯車は徐々に動き出した。 完 続き 続き(ちょっと別視点ver) その数年前のお話 荒んでた頃の話
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柿崎めぐ -かきざきめぐ/Megu kakizaki 水銀燈のミーディアム 登場作品:Rozen Maiden/ローゼンメイデン(漫画)/ ローゼンメイデン トロイメント/ローゼンメイデン オーベルテューレ .声 優 :河原木志穂/登場せず .特 技 : .趣 味 : .ファン名: .あだ名: 水銀燈の契約者の少女。 原作では水銀燈の螺子を巻いたが、水銀燈がなかなか契約を結ぼうとせず、Phase37で遂に正式に契約。 水銀燈が契約を結んだ目的はめぐを雪華綺晶から守るためのようである。 アニメでは第2期から登場。水銀燈の螺子を巻いた訳ではないが、薔薇水晶に導かれるまま一人でに目覚めた水銀燈に対し、一方的に契約を結んだ。 有栖川大学病院に心臓の病で入院しており、完治するには移植手術が必要だが、幼少時からの度重なる短命宣言で生きる気力を失っている。 普段はベッドで横になっているが、外を歩く程度はできる。 本人は病弱な自分を「壊れた子(ジャンク)」と言っている。 自分の前に現れた水銀燈を「天使さん」と呼び、彼女が自分の命を使い切ることを望んでいる。 かつて発作を起こした時に、祖母がいつも自分のために歌ってくれた『からたちの花』を水銀燈のためにいつも歌っている(アニメでは「瞬」)。
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「いい、金糸雀。私も辞めるなんて翠星石達には内緒よ。 これは3人の秘密なのだわ」 橋の上でしばらく流れていくレポートを見ていた水銀燈と金糸雀に 真紅が合流したのは美術室を出てから20分後の事であった。 「どうして真紅も辞めちゃうのかしらッ?」 「そうよぉ、真紅まで辞めることないわァ」 「もうウンザリなのだわ、それより金糸雀は学校に戻りなさい。今頃は 翠星石や雛苺が騒いでるはずだから・・・それから私は停学ってこと にしておいて頂戴」 「でも、でも・・・」 「早く戻りなさい金糸雀」 何度も振り返る金糸雀を見ながら水銀燈が小声で話す。 「本当に真紅はおバカさんねぇ~。あきれちゃうわァ」 「貴女に言われたくないのだわ。それよりこれからの事を考えないと」 「そうねェ、真紅はともかく私は中退決定だからねェ~」 しばらく2人は行くあてもなくブラブラと歩きながら話す。 「はぁ~、最悪ぅ。バイトでもぉ探そうかなァ?真紅はどうするのォ? 今なら梅岡に謝れば許してもらえるんじゃァない?」 「あんなのに誤るくらいなら野垂れ死にしたほうがマシよ」 「ウフフフ、野垂れ死にィ。イイわぁ、それ。私も付き合うわぁ」 2人がこれからの不安を吹き飛ばすかのように笑っていると信号待ち をしている大型バスが目に入ってくる。 水銀燈と真紅は互いに顔を見合わせ小さくうなずく。 「あんなクソに誤るくらいならァ~、野垂れ死にねぇ」 「そうよ、でも野垂れ死にする前に勝負するのもイイのだわ」 「それ最高よォ~。私ィ、勝負事って、だァ~いスキよぉ」 信号が変わるとバスはゆっくりと発車し出す。真紅と水銀燈はバスが 見えなくなるまで目で追いかけた。そのバスには「東京行き急行バス」 と書かれていた。 そして2人は家出の計画を話し出した。ラプラスがいた街でのライブの後、 真紅と水銀燈はこの街を出る決心をつけた。 17歳の少女達の将来、未来に対する自分なりの選択。その中にはかすかな 夢や希望、目標という想いが5月の風に乗り大きく羽ばく。 その風は先ほど走りさったバスを追いかけ、そして追い越していった。 真紅、水銀燈の決意を翠星石、蒼星石、雛苺、金糸雀、薔薇水晶の5人は まだ知らない。 * 金糸雀が学校に戻ると真紅の言うとうり翠星石が他の生徒相手にケンカを始めていた。 「真紅と水銀燈の悪口を言うならこの翠星石が許さないのですぅ!」 イスを持ち上げようとする翠星石を止める蒼星石と金糸雀。 「止めるんだ翠星石!こんなことをしたらキミまで」 「暴力はイケナイのかしら~!」 「でも、でも、アイツ等が真紅と水銀燈の・・・」 「言わせておけばイイさ、真紅も水銀燈もきっと大丈夫だから」 蒼星石の言葉に金糸雀は真紅と水銀燈の事を言いそうになるのをグッと飲み込む。 (ここで真紅と水銀燈のことを言ったら大変なことになるかしら) 「水銀燈もきっと大丈夫かしらッ。それに真紅はただの停学かしら~」 「そうだよ、金糸雀の言うとうりだよ。2人ともすぐに戻ってくるよ」 蒼星石と金糸雀の言葉に翠星石は落ち着きを取り戻す。 「そうですよねッ、薔薇乙女はずっと一緒なのですぅ。そして全員で東京 に乗り込むんですぅ~」 「うん。水銀燈も泊まりに来た時に約束したし、大丈夫だよ。僕達はそろって 乗り込むんだから。それに今は来週のライブのほうが大切だよ」 「そうですぅ、忘れてたですぅ。なんてったって真紅と水銀燈復帰ライブ なのですからッ。ねっ、蒼星石、カナ、リ。あれ、金糸雀はどこですぅ?」 「あれ、今まで僕のとなりに居たのに、どこ行ったのかな?」 * 「おい金糸雀。どこ行くんだ、もう授業は始まるぞ」 そんな教師の声など聞こえない金糸雀はそのまま靴に履き替えて出て行く。 「なぁに、金糸雀。うん、うん・・・えぇ、真紅と一緒よぉ~」 「今の電話だれなの?」 「金糸雀よぉ、話があるからァ~、アンセムに来いだってさァ~」 フゥ~。水銀燈の口から煙がゆっくりとアンセムの天井に向かって行く。 「それはァ、私もイヤよ。でも私は退学なのよ、もう戻れないのよ」 「私もあんな所に戻る気はないのだわ。それに私も水銀燈と同じ退学でしょうね」 「じゃ、この先2人はどうするのかしら?翠星石達はみんなで東京に行く って希望を持ってるかしらッ!」 少し興奮気味にしゃべる金糸雀に真紅と水銀燈は先ほど決めた2人の東京に行く 想いを話すと金糸雀はテーブルに手を着き体をグイッと前に突き出し声を荒げる。 「さんざん期待や希望を持たしておいて、何の相談もなしに結局2人で学校を辞め てその場のノリで東京行きを勝手に決めたのかしらッ。そんなのズルイかしらッ!!」 「だってェ、しょうがないじゃない。私は退学よ、退学。もう私の机は無いのよぉ! 私だってみんなと一緒に行きたいわよォ!」 「私もあんな事をしてしまったからほぼ退学は決定なのだわ。ねぇ金糸雀、もう あの約束をした時とは状況が違うの、解って頂戴」 「そんな、真紅まで何を言うのかしらッ。もう、もう真紅や水銀燈なんか 知らないかしらァァ!!」 金糸雀はそれだけ言うとテーブルを叩き店を出て行く。 店を出ると涙で周りの景色が薄っすらとボヤける中を走る金糸雀。 (真紅と水銀燈なんてバカかしら、勝手に行けばいいかしらッ) (なぜ真紅と水銀燈が退学かしら、そんなのはイヤかしら~) 勝手にすればいい。離れたくない。金糸雀の胸を駆け巡る2つの矛盾した思いに 金糸雀は薔薇女子高に転校してきた当初を思い出していた。 初めて会話をしたのは水銀燈のギターを見た時だった。 まだ馴染めていないクラスの中で水銀燈だけが金糸雀と一緒に昼食を取ってくれた。 水銀燈がいない時に他の生徒から邪魔者あつかいされそうになった時、助けて くれたのが真紅と翠星石だった。音楽が、ロックが好きというだけで蒼星石、 雛苺も昔からの親友のように金糸雀を迎え入れてくれた。 その頃はまだ真紅と水銀燈の微妙な過去など知らなかったが、水銀燈がまた 真紅達と一緒にバンドを始めるのが決まった時は自分のことのように嬉しかった。 (離れるなんてイヤかしら、このままバラバラになるなんてイヤかしら) 「真紅も水銀燈も大バカかしらァァ~!!」 あふれる涙を拭うことも忘れて大声を出した後、金糸雀は泣き崩れてしまった。 * 真紅と水銀燈が久しぶりに薔薇乙女に帰ってくる。真紅、水銀燈とは 今回の音合わせが初めての薔薇水晶は内心緊張していた。 (うわ、真紅と水銀燈だぁ、愛想よくしたほうがイイのかな?) 「私・・・薔薇水晶・・・・よろしくね♡」 「同じクラスだけどバンドとしては始めてね。これからの薔薇乙女を よろしく頼むのだわ」 「これからの?」 蒼星石は少し怪訝な表情で真紅の言った言葉を口に出す。いつもの真紅なら 「これからの」とはいわない「私達の薔薇乙女」と言うはずである。 「なぁに難しい顔してるの蒼星石ィ?それより翠星石はどこに行ったのぉ?」 「あぁ、まだ金糸雀から連絡がないから電話をしに行ったよ。ホラ、ここは 携帯の電波が届かないから」 今にも雨が降り出しそうな空を見上げながら翠星石は携帯を耳に当てる。 「おバカ金糸雀、何グズグズしてるですかッ、早く来やがれですぅ」 「ちょっとカゼで熱っぽいかしら、今日は止めとくかしら・・・」 「何ぃ軟弱なこと言ってやがるですか、真紅も水銀燈も居るですのにィ」 「真紅・・水銀燈・・その2人なにか言ってないかしら?」 「別に普段どうりですぅ、停学が1週間伸びたと言ってたですよ。 何ですか金糸雀?」 「ううん、なんでもないかしら~。とにかく今日は参加できないかしら」 「金糸雀はどうしたの~、おなかでも痛いの?」 翠星石がスタジオに戻るとマイクを持った雛苺が心配そうに聞く。 「カゼを引きやがったみたいですぅ。ライブまで後5日ですのにぃ~」 「そう・・・しかたないわね。今日は私達だけでヤルのだわ」 薔薇水晶のキーボードから幻想的なメロディーが流れ出し、水銀燈のギター が追従するように入ると雛苺の高音が効いたコーラスが続く。 そこに真紅の美しくもハリのある声が切ないバラードを歌い出す。 (くぅ~、凄ぇぇのですぅ。翠星石の考えは間違ってたですぅ。やはり 真紅と水銀燈が入ると別物ですぅ、金糸雀もこれを聴いたらビビるですよッ) 翠星石の思いとは別に金糸雀はライブ前日になっても学校にすら姿を 見せなかった。 ライブを明日に控え最終的な音合わせが終わると翠星石はスタジオを 飛び出し携帯の受話器越しにツバを飛ばし怒鳴る。 「おバカ金糸雀、なにしてやがるですかッ?ライブは明日ですよッ」 「うるさいかしらッ、カナはもう薔薇乙女を止めたかしらァ!」 「な、なにを言い出しやがるですかッ、ちょっと真紅と代わるから 待っていやがれですぅ!」 「真紅と水銀燈なんか知らないかしらァ!」 そう言うと金糸雀は一方的に電話を切ってしまった。 翠星石がスタジオに戻り電話でのやり取りを説明すると真紅と水銀燈は 静かに話し出す。 「そう・・・金糸雀はそんな事ぉ、言ってるのぉ?」 「これはライブが終わるまで秘密にしておきたかった話なのだわ・・・ 私と水銀燈はライブが終わったらこの街を出るのだわ」 「なッ!真紅まで何の冗談ですぅ・・そんなのウソですよね、ねっ水銀燈?」 「真紅の言うとうりよォ、私と真紅はもう学校には戻れないわぁ。それに こんなイナカ街では何もできないわァ」 「そんな・・・じゃぁ、これからどうするですかッ?」 真紅と水銀燈はライブが終わると次の日の朝、この街を出て東京に行く 考えを告げる。そのために真紅は2日前に退学届けを出していた。 それを聞いた雛苺は涙ぐみ、薔薇水晶と翠星石は無言のままうつむいている。 そんな中で蒼星石はゆっくり話し出す。 (5)へ戻る/長編SS保管庫へ/(7)へ続く
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私立有栖学園の校長・・・ローゼン、彼は変人でもあり奇人でもある、しかし彼の本当のやさしさを知る者は少ない 一方私立有栖学園の教師の一人水銀燈、彼女も悪く言えば変人でも奇人でもあるが、根は優しい先生である ○月×日 雨 水銀燈「なによぉ~・・・そんなに怒らなくてもいいじゃなぁ~い」 水銀燈の声が職員室に響き渡る・・・しかし 真紅「許すものですか!くんくん人形を返しなさい!」 翠星石「おめぇ~のした事は重罪ですぅ~、いい加減謝りやがれですぅ!」 蒼星石「悪いけど、今回は許しがたいな、僕の帽子弁償だけでは済まないよ?」 金糸雀「よくもカナのバイオリンを壊してくれたかしらー?」 雛苺「うにゅ~を返すのー!」 雪華綺晶「戦車を破壊して許されると思っているのか!」 この場に居る教師全員が敵であった・・・それもいつもなら仲介に出てくる蒼星石や揉み消してくれる雛苺に金糸雀まで そう、水銀燈は今完全に孤立していた・・・ 水銀燈「な・・なによぉ、皆して虐めなくてもいいじゃなぁ~い・・・」 若干反省したのかいつもの甘ったるい口調ではなく少々の怯えが混ざる しかし他の教師の猛攻は続き・・・・ 真紅「いい加減にしてよね?この脳みそジャンク!」 翠星石「食材を無駄にするなんて人間として風上にも置けないですぅ!」 蒼星石「悪いけど、これから友達関係見直させてもらうよ」 金糸雀「もう口利いてあげないのかしらー!」 雛苺「べ~~~~~っだぁ!」 雪華綺晶「ナチスを侮辱した事、悔い続けるがいい!」 ・・・・・ガタッ!全員が言い続けてると思いっきり席を立つ水銀燈 水銀燈「・・・・・・・・」 そして無言のまま職員室を出て階段を上がっていく、その目には確かに大粒の涙があった まだ階段を上がる、これより先は屋上である・・・・その時 薔薇水晶「あ、水銀燈先生おはようございます」 奥から歩いてきた薔薇水晶が挨拶をする 薔薇水晶「あのー、ここから先は屋上ですよ?」 いつもの元気がない水銀燈を心配する薔薇水晶、しかし水銀燈は無言のまま階段を上がる 薔薇水晶はそれ以上とめる事もなく頭に?を浮かべながら職員室へと向かった そして職員室に入ったが、そこはいつもの雰囲気ではなかった・・・そうなにかジメっとした感じが漂う陰気な空間であった 薔薇水晶「・・・・・・・・・ぉ・・・おはようございます・・・」 薔薇水晶がおどおどして入る、しかし挨拶は返ってこない・・・ いつもなら水銀燈の甘ったるい挨拶に始まって色々な挨拶が返ってくるがそれもない・・・そんな時 ガラッ!!!いましがた閉めたばかりのドアが開いた ローゼン「グッッッッ・・・・・・モォォォォォォニィィィィン!」 空気等まったく読まない奴が入ってきた・・・・ ローゼン「ん・・・ん・・・・?・・・・んんんんんん!?、どうしたんだい皆お通夜みたいな顔してぇ!ははぁん、さては僕が来たから照れてる?」 そんな事を一人浮かれて喋るローゼン・・・・そこで薔薇水晶が無言でローゼンの腕を掴み廊下へと引きずり出す そして廊下に出た二人・・・そんな中先に口をあけたのはローゼンだった ローゼン「水銀燈先生が居ませんでしたね、しかも皆さん暗い顔持ち・・・喧嘩でもしましたか?」 そこにはいつものローゼンとは打って変わって凛々しい男性のローゼンがあった そんなローゼンに一瞬見惚れた薔薇水晶だったが・・・ 薔薇水晶「・・・・水銀燈先生泣いてたの・・・なんでかは判らない・・・雨なのに屋上に行った・・・」 いつもよりはっきりとローゼンに話す薔薇水晶、そしてそれを聞き小声で「ありがとう、後は任せておきなさい」と言い階段を上がるローゼン 薔薇水晶は事態の内容すらわからなかったが、これで大丈夫だと確信した 一方屋上では水銀燈が雨の中屋上から校庭をただ一人見ていた 水銀燈(なんでこんなことになっちゃったんだろ・・・少しだけイタズラしただけなのに・・・) いつもの水銀燈ならこんなことは欠片も思わないだろうがこの時は違った・・・ ちょっと構って欲しい、ちょっと付き合って欲しい、ちょっと一緒に居て欲しい、これの延長線でイタズラの度が過ぎてしまっただけなのだが・・・ 水銀燈「・・・・皆に嫌われてるならいっそ・・・」 そう呟く水銀燈・・・・しかし ローゼン「いっそなんだい?そこから飛んで夢の彼方にでも行くつもりか~い」 等と緊張感の欠片も無い声が水銀燈に届き、その声の主に振り返る水銀燈 水銀燈「な・・・なによ!あんたなんか呼んでないんだからとっとと消えなさい!」 それに対し怒りをあらわにする水銀燈これに対して穏やかに答えるローゼン ローゼン「そうもいかないなー、だって僕校長だしー、それにお通夜みたいな職員室は耐えられないしね」 と、あっさりと切り返す 水銀燈「馬鹿いわないで頂戴、大体貴方みたいに何の考えも持たない人間が・・・」 そこまで言ってしまったと思った・・・ローゼンは自分を救いに来たのにそれをまた自分で手放したのだと自分を責める ローゼン「だねー、ほぉーんと考えもってないよー」 しかしそこには怒りや侮蔑の回答ではなく、いつものローゼンの回答があり・・・・次の瞬間彼の顔を見て世界が止まる ローゼン「でもね、僕は僕のやり方でだけど今の有栖学園が崩れないようにしたいんだ、もちろんそこには水銀燈先生の存在もあるよ」 口調はあくまでも穏やか・・・いやいつもみたく冗談等の意味が含まれない穏やかな声・・・・ ローゼン「君が何をしたか知らないけど、一度躓いたぐらいで飛び降りようとか考えるのは穏やかじゃないなぁ・・・」 変わらぬ口調、しかし最後の飛び降りようとの所には怒気が確かに含まれていた・・・ ローゼン「じゃぁ、僕はラプラスから逃げないといけないから戻るね♪」 そして戻るローゼン、そこにはいつもの・・・本当にいつものローゼンが居た 残った水銀燈は一人考えた・・・が、もう答えは決まっていた・・・ 泣いていたその顔は今ではすっきりとした顔に戻っている・・・ 水銀燈「ほぉ~んとに、私が居ないだけでお通夜とか・・・みんなおばかさぁ~ん・・・」 まだ涙声だが汚れの無い声で職員室に戻る水銀燈の姿があった・・・ いつの間にか雨は止んでいた fin
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水銀燈「…よし…。」 ある日の休日…自室で一人、覚悟を決めたようにそうつぶやくと、彼女は手に持っていた携帯電話の電源ボタンを押し続けた。 それはいつも使っているものとは違う、もう一つの電話…。 数秒後、多少ほこりのかぶったその電話は久しぶりに息を吹き返し、その本来の機能を発揮し始めた。 画面を睨み、水銀燈は中のデータを一通り確認する。 約1ヶ月ほど放置していたため、多少電池の残量が心もとないが、それ以外は問題なさそうだ。 そして適当な番号を見つけると、彼女はおもむろに電話をかけ始めた。 水銀燈「あ…久しぶり…。私だけど…覚えてる…?…そう!私よ!私!!ごめんねぇ…実は、ちょっと車で事故起こしちゃって、今まで入院してて…」 …もちろん、そんな事実など一切無い。 この日、彼女は久しぶりに『仕事』を開始した。 時折、同僚の顔や知り合いの顔が浮かびもしたが、この際そんな情に流されるわけにはいかない。 なぜなら、『ある理由』のおかげで彼女の預貯金はほとんど底をついていたのだから…。 「お金が無いのなら、真面目に仕事をすればいい」と人は言うかもしれない。 しかし、人間1度贅沢を経験してしまうと、元の慎ましい生活に戻るのには大きな覚悟を要するもの…。それに… 水銀燈「…もう、あんな暮らしをするのはうんざ…ううん、こっちの話…。ごめんなさぁい…久しぶりに声聞けて、テンパっちゃってるみたい…」 ふと頭によぎる、高校までの極貧生活…。 もう二度と、あんな思いは… そんな呪縛から、彼女は逃れることは出来なかった。 水銀燈「…それで…会いたいのは山々なんだけど、入院費とか意外にかかっちゃってぇ…。車も壊れちゃったし…もう私…どうしたら…」 多少のブランクはあったものの、その言葉はまるで魔法のように相手の心を惹きつけた。 「馬鹿な男…」と思わずほくそ笑みながら、彼女は本題を切り出す準備をし始める。 しかしその時、誰かの視線を感じ、彼女は慌ててその方向に振り返った。 そこには、その様子をにこにこと楽しそうに眺める、1人の少女の姿があった。 水銀燈「あ…ご、ごめん…今病院だから…!」 そう嘘をついて話を切り上げると、水銀燈はその少女のほうに向き直り、こう質問した。 水銀燈「…どこから聞いてたの?」 ?「んー…『でも、生死の境をさまよってた時、真っ先にあなたの顔が浮かんで…』って辺り?」 あまりの事に困惑気味の水銀燈に対し、少女は笑顔を崩すことなくそう答えた。 彼女の名前は柿崎めぐ…。以前、水銀燈とそのほかの善意の人たちの力によって心臓病を克服した少女である。 あれ以来2人の仲は急速に深まり、ついには家の合鍵を渡すまでになっていた。 むろん、それはこのめぐという少女を信頼しての事なのだが、最近ではその行為を後悔する日が多くなってきた。 もっとも、それはめぐ自身の問題ではなく、むしろ自分自身が原因なのだが… 先ほどの彼女の答えに対し、水銀燈は頭を抱えながらこう呟いた。 水銀燈「…つまり、最初の方からって事ね…。」 その言葉に、めぐは「そう。」と笑いながら答えた。 水銀燈「…で、何で勝手に入ってくるの…。チャイムくらい、鳴らしなさいよね…。」 めぐ「えー?『勝手に入ってきて構わない』って言ったの…先生じゃない♪」 その答えに、「本当に馬鹿な約束をしてしまったものだ…」と、水銀燈は思わずため息をつく。 確かに、めぐと居られる時間は楽しい…。 でも、『朱に交われば赤くなる』とはよく言ったもので、私といるせいでめぐがどんどん良くない方向へ行ってしまっている気がする…。 今日だってそう…。こんな事…万が一めぐが真似するようなことがあれば、それこそ…。 めぐ「どうしたの?何か今日…先生らしくないわ…。何かあったの?」 水銀燈「…別に。大したことじゃないわ…。」 めぐ「ふぅん…。でも、何か困ってるのなら言って。この命は先生に貰ったもの…。だから、先生のためなら何でもするわ。たとえ、それがどんなに悪いことでも、あなたのためなら私は…。」 その言葉に、水銀燈は愕然とする。 そして、彼女は少し考えた後、静かにこう言った。 水銀燈「…なら、これが最後の命令よ…。これ以上、私に近付かないで…。」 と。 めぐ「…え?」 思わぬ言葉に、めぐはそれ以上言葉を発することが出来なかった。 初めは冗談だと思った…。しかし、水銀燈の目を見る限り、どうもそうでは無いらしい…。 めぐ「ど…どうして…?チャイムも押さずに家に入ったのがいけなかったの?それとも…」 水銀燈「…うるさいわね。もううんざりなのよ…!あなたの面倒を見るのは!!私は別にあなたなんか頼りにしてない…!!むしろ、邪魔なのよ!!分かった!?」 その言葉に、めぐはしばし呆然とした。やがて自我を取り戻すと、彼女はあふれる涙を懸命にこらえながら部屋を後にした。 「…これでいい。これでいいんだ…。」と水銀燈は自分に言い聞かせる。 めぐ…これ以上、貴女のそばには居られない…。 めぐに会った日から今日まで…それは本当に楽しかった…。でも結局、私は周りの人を傷付けなければ生きていくことは出来ないようだ…。 そう、一度汚れてしまったものは、どんなにそれを直そうとしても元の白さには戻らない…。だからこそ手遅れになる前に…。 バタン、と音を立ててしまる玄関のドア。そのドアを見つめながら、彼女は静かにこう呟いた。 水銀燈「…ごめんね…めぐ…。」 決して大きな声ではないはずの声…。しかしその声は、彼女以外誰もいなくなった部屋に大きく響いていた。 真紅「…今日も柿崎さんは休みなのね…。水銀燈、何か知らない?」 それから3日後の朝…。あの日以来、めぐはずっと学校を欠席し続けていた。 原因は不明…。ならば、「彼女と親友であるはずの水銀燈なら何か知ってるのでは…?」と真紅は彼女に対しそう質問したのが、彼女は持っていた雑誌に目線を落としたまま、ぶっきらぼうにこう答えた。 水銀燈「…知らない。」 真紅「…嘘ね。本当に知らないのなら、慌てて彼女の家に向かうはず…。そうでしょう?」 その言葉に、思わず水銀燈は舌打ちをする。 全く…お馬鹿のくせに、変なところで勘が働くんだから… そんな彼女の考えをよそに、真紅は新たな疑問を彼女に投げかけた。 真紅「…一体何があったの?柿崎さんは、あなたのことを物凄く慕っていたのに…」 水銀燈「うるさいわね…。そんなこと、もうどうでもいいわ…。」 その言葉にぴくりと眉を動かすと、真紅はさっきより強い口調でこう言った。 真紅「そんな言い方ないでしょう!?あなたは、文字通りあの子の命を救った…。だからこそ、あなたを一番慕っているの…!でも、それが目の前で崩れ去った時、その行為が本人にとってどんなに辛い事か…それはあなたが一番よく分かって…」 そこまで言った時、彼女は思わず口ごもった。 なぜなら、水銀燈本人も同じような目にあっていたことを十分に知っているから…。 そして、それは彼女にとって大きな傷跡を残してしまったことを…。 しまったと思いつつ水銀燈の方を見ると、彼女はハッとした様子で真紅の顔を見つめていた。 そして数十秒後、彼女は真紅に対しこう言った。 水銀燈「…ちょっと、休憩がてら散歩してくるわね…。」 と。 …それから2時間後、彼女はめぐを連れ学校に戻ってきた。 水銀燈「…なんで学校なのよ?今なら、どこでも自由に遊びに行けたのに…」 とぼやきながら。 それをなだめながら、めぐは彼女の手を引っぱり、学校の中へと先導する。そんな2人の手は、いつまでも硬く握られていた。 完
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790 :371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg:2008/01/02(水) 01 47 05 「おはよう、水銀燈」 それは、全く意識せずに、口から勝手に出てきた言葉だった。 けど、口にしてから気がついた。 ……ああ、俺はこの言葉を言ってあげたくて、いままでやってきたんだな。 水銀燈はというと、目の前に俺が居ることが不思議でしょうがない、と言いたそうな顔で俺のことを見返している。 「おはよう、って……なんで士郎が……? だって私、さっきまで……はっ!?」 そこまで言いかけて、突如水銀燈の両目が大きく見開かれる。 みるみるうちに顔がこわばっていくのが見て取れる。 どうしたんだ……この様子は尋常じゃないぞ。 「士郎、敵は!? あいつらは何処にいったの……あっ!?」 「ちょ、あぶなっ!?」 まずい! 右腕が無い状態で、跳ね起きるのは難しい。 そのことを失念していたのか、水銀燈の上体は、バランスを崩して大きく泳いだ。 あわや、したたかに打ち付けそうになったところを、俺が両手でなんとか受け止めた。 「う、うぅ……」 「だ、大丈夫か水銀燈?」 「よっ、余計なお世話よぉ……。 ここは……それに、あいつらは?」 「ここは俺の家の土蔵だよ。 あいつらってのが誰だかしらないけど、そんな身体で無理するな」 俺がそう告げると、水銀燈の表情がまた変わった。 緊張の顔から、一変して恐怖の顔へと。 「身体……? ……あ、わたしの、からだ……」 水銀燈は、まるでいま気がついたかのように、自分の右腕……肘から先が存在しない腕を凝視した。 そして、背中へ首をめぐらせて……やはり無くなっている、片翼を見る。 「ない……私の翼、私の腕……。 そう、やっぱりアレは夢じゃなかったのね……」 水銀燈は、ドレスの裾をぎゅっと握り締めて、沈痛な表情で呟いた。 心なしか、その身体はかすかに震えているように見えた。 ……分かってはいたけど、やっぱりこういう水銀燈を見るのは……辛い。 「水銀燈……」 ……正直に言えば、俺は知りたかった。 彼女の身に何が起こったのか。 誰が、彼女をこんな目に遭わせたのか。 それを知ってどうするのか、なんてわからない。 ただ、水銀燈に悪意を持つ、明確な敵の存在を、知りたかった。 だが……それを語ることが出来るのは、目の前で震えている少女だけなのだ。 果たして、何があったのか、いま尋ねるべきなのか? それを迷っているうちに、沈黙は第三者によって破られた。 「水銀燈。 目が覚めたばかりで悪いのだけど、いいかしら?」 「貴女……真紅!?」 一歩前に進み出た真紅が、水銀燈を真正面から見据える。 その毅然とした態度に反応したかのように、水銀燈の顔から恐怖が拭い取られ、再び警戒心をあらわにする。 「ごきげんよう、水銀燈。 貴女がそこまで手酷くやられるなんて……正直、驚いているわ」 「何故貴女がここに居るの!?」 噛み付くような喧嘩腰で叫ぶ水銀燈に、真紅は眉をひそめる。 「何故、とはご挨拶ね。 私が居なければ、貴女は目覚めることが出来なかったのに」 「……一体、なにをしたっていうの?」 「私が、士郎に教えてあげたのよ。 薔薇乙女《ローゼンメイデン》の発条の巻き方を」 ちょ、真紅、その言い方は拙いだろ!? 案の定、水銀燈の怒りの矛先は俺の方に向かってきた。 「なんですってぇ……士郎! 貴方、よりによって真紅なんかに縋り付いたの!?」 「え、いや、俺から頼んだわけじゃ……」 「手を貸したのは私の勝手よ。 士郎はそれに応じただけ」 俺の弁明を遮って否定する。 ……流石に、くんくんに釣られてやってきました、とは言えないか。 「聞いて、水銀燈。 私の知りうる限り、アリスゲームで身体の一部を失った例は、今回が初めてよ。 今まではこんなこと、一度だって無かった。 ううん、薔薇乙女《ローゼンメイデン》の中で、こんな残酷なことが出来る子なんて居ないはずだもの。 そんな真似が出来る薔薇乙女《ローゼンメイデン》となると……ねぇ、水銀燈。 貴女がやられたのは、やっぱりあの、薔薇の眼帯の……」 「……うるさいっ!!」 「えっ?」 真紅の推理を遮ったのは、水銀燈の一喝だった。 真紅を睨み付ける水銀燈の目は、憎しみで燃え滾っていた。 「恩着せがましく言い寄ってきたと思ったら……うるさいのよ、賢しげにゴチャゴチャと! 今回が初めて? 今まで一度も無かった? だから何よ、一番最初に失敗したからって、それで水銀燈を馬鹿にしたいだけじゃない!」 「違うわ、水銀燈、私は……」 「違わないわっ!! そうやって真紅は、いつもいつも……私のことを見下してるんでしょう!? そんな貴女なんかに話すことなんか、ないわ! 今すぐここから、出て行きなさぁい!!」 ばさり、と。 久しぶりに見る、黒い羽根を大きく広げて……それが、半分でしかないことを、改めて思い知る。 その、片方だけの黒翼で、水銀燈は真紅を脅していた。 いや、これ以上ここにとどまっていたら、脅しだけじゃ済まないだろう。 それは真紅も感じ取ったのか、これ以上の長居をするのはあきらめたようだ。 「……どうやら、今日は無理のようね。 行きましょう、士郎、雛苺」 踵を返した真紅は、俺と雛苺に声をかけて、入り口へと立ち去ろうとする。 ちなみに雛苺は、入り口のところからおっかなびっくり中を覗いていた。 「え、でも……いいのか?」 「今はここに居てもなんにもならないわ。 水銀燈には、少し頭を冷やしてもらわないと。 ……だから、士郎、お茶を入れて頂戴。 そろそろお茶をするのにいい時間だわ」 そう言われて、俺は……。 α:今はそっとしておこう。真紅と雛苺と共に立ち去った。 β:一人だけにはさせられない。水銀燈とここに残る。 投票結果 α:0 β:5
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このカテゴリーは薔薇乙女同士の、 百合カップリングの話を収録したカテゴリです。 「女の子同士じゃ何も生産しない!!」 とか言う人は見ないほうが賢明です 真紅×水銀燈12 雛苺×水銀燈1 真紅×雛苺1 蒼星石×薔薇水晶1 翠星石×水銀燈1 蒼星石×翠星石12345 水銀燈×薔薇水晶1234 567 水銀燈×金糸雀1 金糸雀×雛苺1 水銀燈×蒼星石1 巴×雛苺1
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翠星石「きぃぃぃぃぃ!!何で、そこでキングが出てくるですか!?」 水銀燈「ふふ…切り札は最後にとっておくものよぉ…♪さ、2人とも出すもの出しなさぁい♪」 その日、水銀燈と翠星石と雛苺は、ラウンジで『賭け大貧民』をやっていた。 無論、賭けるものはお金…。そして1位が決まった時点で、後は残りの枚数で優劣が決められる仕組みとなっていた。 ちなみに、言い出したのはもちろん水銀燈…。「そのほうが面白いじゃなぁい♪それに、私から逃げるのぉ?弱虫ねぇ…♪」と言う口車に、2人はまんまと騙されたというわけだ。 雛苺「うー…1000円札さん…バイバイなのー…」 翠星石「チビチビはまだいいですぅ!!何で、翠星石は5000円なんですか!?チビ苺に負けるなんてありえないですぅ!!もう一回勝負ですぅ!!」 水銀燈「願ってもないわぁ♪いいわよぉ、お馬鹿さぁん…♪」 2人から受け取ったお金を財布にしまいながら、上機嫌で勝負に応じる水銀燈。 その一部始終を見て、ある者が後ろから声をかけた。 薔薇水晶「…銀ちゃん…。そんなところで一体何をやっているの!?」 それは、薔薇水晶がようやく学校になじみ、その姉である雪華綺晶も学校に赴任してきた頃の出来事だった。 薔薇水晶「…皆さんは教師であるにもかかわらず、こんな事をして良いと思ってるんですか!?」 不良教師3人に対し、お説教を開始する薔薇水晶。 しかし、主犯の水銀燈は頬杖をつきながら、その話を聞いていた。 薔薇水晶「銀ちゃん、聞いてるの?早く、みんなにお金を返してあげて…!」 水銀燈「やぁよ。大体、これはみんなで話し合って決めたことなのよぉ?あなたに、とやかく言われる筋合いは無いわぁ…」 薔薇水晶「だめ。それに、銀ちゃんはお金を全然大事に扱ってないじゃない…。お金は、もっと大事に使わなきゃいけないんだよ…?」 あくびをしながら話を聞く水銀燈に、薔薇水晶はさらに話を続ける。 薔薇水晶「大体、銀ちゃんはいつもお金を無駄に使いすぎだよ…!そんなことじゃ、今にお金がなくなって乞食みたいな生活をおくる羽目に…」 水銀燈「…言ったわね?」 そう言うと、水銀燈は薔薇水晶をにらみつけ、どこかへ去ってしまった。 「ちょっと待ってなさい…!」という言葉と共に… そしてそれから30分後、校舎の外からけたたましいクラクションの音がした。 何事かと外を見ると、そこにはいつもの黒のコルベットではなく、銀色の平べったい車を従えた水銀燈の姿があった。 水銀燈「どぉ…?凄いでしょう…これ…♪」 そう、それはスーパーカーの代名詞、ランボルギーニ・ディアブロ…。 以前ある男を騙して買わせたものなのだが、それは持ち主である水銀燈でさえも、乗り回すのを控えるほどの存在だった。 しかし、それを見せられた薔薇水晶は、後からやってきた雪華綺晶にこんなことを尋ねた。 薔薇水晶「姉さん…。私、車には詳しくないんだけど…あの車、そんなに凄いの?」 雪華綺晶「うん…。家が買えるぐらい…。」 その言葉に、薔薇水晶は思わず卒倒しそうになる。 そして、そんな薔薇水晶を見て、水銀燈は高笑いを浮かべてこう言った。 水銀燈「見なさい、薔薇水晶!!これがあなたと私の力の差よ!!あなたなんかじゃ、こんな車一生かかっても買えないでしょうね!!ばぁーかッ!!」 先ほど『乞食になる』と言われた事に対し、これでもかと言うぐらい薔薇水晶を罵倒する水銀燈。 しかし、彼女はまだ気がついていなかった…。 この愚行が、のちのち大変な事態を招くということに…。 だが、そんな過酷な運命を知るものはこの場に誰もおらず、今はただ、車のエンジン音と水銀燈の高笑いだけが校舎に響き渡っていた。 完 10分後(他の方が書いたやつ) 後日談
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「…そんなに警戒しないでよぉ」 水銀燈の目が穏やかになると、めぐの緊張は解けた。 「何しに来たの?」 「べっつにぃ、暇だったから散歩してただけよぉ」 あっけらかんと言う水銀燈に、さっきまでの雰囲気はなかった。 めぐはそんな水銀燈の雰囲気にすっかり毒気を抜かれてしまう。 「ねぇ、さっきの歌。なんて名前なの?聞いたことがない歌だったわぁ」 「この歌のこと?」 …からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ… …からたちのとげは痛いよ 青い青いはりのとげだよ… 「そう、その歌。童謡?」 「う~ん、私もよく分からないけど…お祖母ちゃんが教えてくれたの」 そう言った後、めぐの顔は一気に曇った。 「…死んじゃったけどね」 「……そうなの…」 しばらく沈黙。 「ところで、めぐぅ。あなたは何で入院してるの?」 水銀燈がそう言うと、めぐは儚げに微笑んだ。 「私ね、心臓に病気を持ってるの」 そうめぐが言う。水銀燈は別段驚きはしなかった。 「心臓移植しないと治らないんだって」 「そうなのぉ…じゃあ、すればいいじゃない」 水銀燈が軽く答える。めぐは何も言わず、沈黙が病室を支配した。 「…私には出てけって言わないのねぇ?」 水銀燈が言う、めぐは沈黙を守った。 めぐ自身不思議に思っていた。何故自分は彼女を追い出さないのかが… 「…まぁ、いいわぁ。もう会話も続かなさそうだしぃ」 そう言って、水銀燈は病室の外へと出て行った。 最後に、 「また、来るわぁ」 と言い残して。 翌日、 本当に水銀燈はやってきた。しかもその手には… 「…ギター?」 そう、アコースティックギターを持っていた。 「バンド仲間に持ってきてもらったのよぅ」 そう言って、5フレットに指を持っていき、チューニングを確認する。 そして、アルッペジオで演奏を始めた。 めぐはしばらくその演奏を聞いていたが、しばらくして気づいた。 …からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ… …からたちのとげは痛いよ 青い青いはりのとげだよ… 水銀燈の演奏に合わせて、めぐは歌った。 いつもと同じ歌なのに、不思議と気分が良かった。 ふと、ギターの演奏が止まっていることに気づく。 水銀燈を見た。微笑んでいた。 「やっぱり綺麗な声ねぇ…」 そう言って、再びギターをかまえる。 演奏が再開される。 めぐは、目を閉じた。もう一度歌い出す。 …からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ… …からたちのとげは痛いよ 青い青いはりのとげだよ… …からたちは畑の垣根よ いつもいつもとほる道だよ… …からたちは秋もみのるよ まろいまろい金のたまだよ… しばらくすると歌は終わり、演奏も終わる。 再び沈黙が訪れる…しかし、二人は微笑みあっていた。 「水銀燈、ギター上手いね」 めぐは初めて水銀燈の名前を呼んだ。 水銀燈も微笑み、言う。 「めぐの歌には負けるわぁ」 歌というものは、案外凄い物のようだ。 少なくとも二人の間に友情を作るだけの力はあるらしい。 その日から、水銀燈はめぐの病室に行きギターを弾き、めぐが歌うというのが二人の日課になっていった。 …看護士が来た時、二人揃って 「「出てけ!!」」 というのも日課になっていった… (1)へ戻る/長編SS保管庫へ/(3)へ続く
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きらきー ガジガジ 水銀燈「首筋を噛むのはやめなさぁい!」 きらきー「どうしてですか?」 水銀燈「……痛いじゃなぁい」 きらきー「口に何かを含んでいないと…」 水銀燈「お菓子でも食べてなさいよ」 きらきー「……黒薔薇姉様が一番おいしい…」 水銀燈「うぅ…ならせめて舐めるにしなさぁい。噛むのは痛すぎるわぁ」 きらきー「わかりました」 水銀燈「まったく、変なひゃあ!」 きらきー しゃぷしゃぷ 水銀燈「耳たぶしゃぶっちゃだめぇ…ひうぅ…」